今回は『仕事が速いのにミスしない人は、何をしているのか?』というビジネス本を紹介しようと思います。
- 書名:仕事が早いのにミスをしない人は、何をしているのか?
- 著者:飯野謙次
- 出版月:2017年2月1日
- 出版社:文響社
- 定価:本体1,430円+税
仕事をしていてミスをすることありますよね。
その度になんでこんなミスしてしまうんだろう、また同じミスしてしまったと思ってしまいます。
仕事をしていてミスをすることは誰でもあることなので「どんまいどんまい」で片付けていませんか?
もちろんミスを絶対にしない人はいませんが、限りなくミスをしない人はたくさんいます。
そういった人は決まって仕事も早いです。
時間をかけてじっくり丁寧に仕事をしてもミスをする人はします。
では、なぜミスをしない人は、仕事も早くミスもしないのでしょうか。
それは、ミスをしない方法を知っているからです。
著者の飯野謙次氏は、東京大学で工学を学び、その後スタンフォード大学で、機械工学・情報工学の博士号を取得。工学・失敗学で得た知識・経験をもとに、誰もが失敗しない方法を具体的に提案しています。誰でもできるのに意外と知らない理系思考の仕事術を生み出しました。
【こんな人におすすめ!】
- 仕事のスピードも遅いし、ミスもよくする
- なぜ失敗するのかが分からない
- ミスをしない方法を知りたい
誰でもミスをすると思われているからこそ、ミスをしないことがとても大事になってきます。
ミスをしないことで会社からの信頼を得られ、それが自分の強みとなります。
この記事は5分ほどで読めます。
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なぜあの人は仕事が速いのに、ミスをしないのか?
ミスをしない人は、ミスをしない方法を知っています。
逆に言えば、なぜミスが起こるのを理解しているのです。
「うっかり起こるミス」の原理
人は想定以上のことが起きた時にこう思います。
「こんなことが起こると予想できなかった。だからミスをしてしまった。」
「今までにないケースだったので対応できなかった。だからミスをしてしまった。」
ただ本書では、「まったく予想だにしていなかった失敗」は、実はほとんどないと書かれています。
自分は初めての出来事で対応できず失敗したかもしれませんが、他の人は経験したことがあり、その失敗を教訓に対応しているかもしれません。
部署内、会社内、業界内、日本全体、世界全体で見たときに、本当にその失敗は過去に起こった事がないのか、と突き詰めていくと、必ず類似の失敗が起きています。
大事なのはその失敗を共有できているかです。
失敗を防いだり、被害を軽くするためには、この「過去に必ずヒントがある」という気づきは重要です。
引用:仕事が早いのにミスをしない人は、何をしているのか? 飯野謙次
「注意力」を鍛えても失敗はなくならない
ミスしないように、注意して資料を確認したり、数字を確認したりすることありませんか?
本書では、注意力では失敗もミスもなくすことができないと書かれています。
ではどうすればいいのか。
それは注意を注がなくてもミスが起きない仕組み作りです。
注意力が原因で起こるミスは、注意力ではなく、別の場所に問題や課題がある場合があります。
例えば、仕事の量が多すぎて、残業しないと終わらない場合に、夜中まで集中して仕事をすることができませんよね?
これでミスをした場合、ミスをなくすためにしなければいけないことは、注意力を鍛えることではありません。
仕事の量を減らすことです。
仕事の量を分担したり、システムやアプリを入れて効率を上げたりすることでミスが減っていきます。
仕事の質とスピードを同時に上げる方法
共通するデータは「1」箇所で保存
共有するデータが自分たちのPCごとに保存されていると、誰かが編集しても気づかないことがあります。
数字が変わっていても、それが最新のものだと思って仕事を進めると大変なことが起きます。
共通するデータは1箇所にまとめるようにすることで、ミスを事前に防ぐことができます。
ダブルチェックの本質は「同じ確認を二度」ではない
前の職場でも、よくダブルチェックを取り入れていました。
それでもミスはなくなりませんでした。
その原因は、別の人が同じ箇所を同じようにチェックしているからです。
例えば、自分よりも仕事ができる先輩がチェックしたものをダブルチェックするときに、先にチェックがついているものは、おそらく正しいだろうと思いながらチェックしてしまいます。
さらに同じ職場で同じ仕事をしているなら、なおさら気づくポイントも見落とすポイントも一緒の可能性が高いです。
本書でお勧めされているダブルチェックのやり方は、1人目がチェックしたものを反対からチェックするというやり方です。
チェックする順番を変えるだけでも1人目が見落としたミスを見つけることが格段と上がります。
見る人を変えるだけでは意味がありません。
見方と見た目も変えることがダブルチェックの原則です。
あらゆるミスには、「起こるサイン」がある
「1:29:300」というハインリッヒの法則をご存知でしょうか。
これは、一つの大きな事故の陰には、同じ原因による小さな事故が29あり、その陰には事故直前のヒヤリとしたことが300あるという法則です。
こんな経験ありませんか?
仕事でミスをしたけど、誰にもバレずに処理できたから良かったと思っていたら、数ヶ月後にまた同じミスをして、次は自分で処理できる範囲を超え大問題になるケースです。
僕は何度かあります。
もし、1回目のミスをしたときに上司に報告していれば、後々の大問題に繋がらなかったでしょう。
自分で処理できるような小さなミスでも、なぜ起きたのかを徹底的に調べて対応しておかないと、必ず後々しっぺ返しがきます。
凡ミスや小さなミスに対して感度を上げることが重要です。
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うっかりを防ぐ「最小・最短・効率」仕事術
携帯や財布など、ものをなくしたり忘れたりする人に共通していることは、持ち物が多いということです。
必要最低限を見極める
極論ですが、ものを持たなければものを落とすことも忘れることもありません。
なので、極力不必要なものは持ち歩かないようにすることが大事になってきます。
鞄の中に自分の持ち物や大量の資料がパンパンに入っている人を見かけたことありませんか?
大量に物がある分、どこに何が入っているのか分からず、探すのに手間がかかったり、大量に物があるのに必要なものを入れ忘れていたり、それによって焦ってうまくプレゼンできないというケースはよくあります。
私生活に置き換えると、著者の飯野氏は、置き忘れをなくすために、鞄を持たず、最低限必要なものだけをポケットに入れているそうです。
僕も出かける時は鍵(家と車or自転車)と携帯しか持ちあるかないようにしています。
携帯のカバーに免許証とクレジットカードと現金1000円(駐車場代など用)を入れて、基本はキャッシュレス決済で済ませれば問題ありません。
最低限ないと困るものだけを持ち歩くようにすれば忘れ物やなくし物が減っていきます。
絶対忘れない人と、忘れやすい人の「一番の差」は?
絶対忘れない人は、忘れない仕組みをつくっています。
実際に僕がしていることは、絶対に忘れてはいけないものを玄関に置いておくという方法です。
本書でもその方法もありますが、その場合、玄関に置いていることを忘れる可能性があると指摘しています。
というのも、それを持たなくても出かけることが可能という状況があるからです。
本書で勧めている方法は、靴の上に絶対に忘れたくないものを置くという方法です。
会社のプレゼンで使用する書類を忘れたくないなら、靴の上に置いておけば絶対に忘れることはありません。
僕の妻がよくしている方法は、僕がゴミ捨てを忘れないように、玄関の壁にゴミ捨てと書いた紙を貼ることです。
これなら絶対に忘れません。
築いた信用を守るコツ
ビジネスの世界では、いったん信用を落とすとそれを取り戻すのに10倍の労力を必要とすると言われています。
それだけ大変なことになり得る要因として、1番してはいけないことはダブルブッキングによるドタキャンです。
そのために必要なことは、スケジュール管理です。
ダブルブッキングしてしまう理由として考えられるのが、予定を記録するツールが何個もあることではないでしょうか。
なので、仕事仲間が共有できるスケジュール表を1ヵ所で保存することが大事になってきます。
記憶に頼るのをやめる
仕事の量が増えると覚えることも膨大になってきます。
それを頭で全て記憶することは不可能です。
仕事が増えた分、その仕事のマニュアルを作成しておけば、記憶から探し出すより確実なのでミスも減りますし、どうやってたっけと悩む時間もなくなり効率もよくなります。
メールを制する者が、ビシネスを制する
記憶装置&相手への思いやり
隣で仕事をしている人にメールを送る会社があると聞いて驚いたことがあります。
話しかけたらよくない?と思うのは僕だけではないはずです。
ただ、話しかける行為は相手への思いやりが足りていないと本書には書かれています。
話しかける時はほとんどの場合、自分のタイミングだと思います。
もちろん、電話対応中だったり、見るからにバタバタしている時は話しかけませんが、暇そうに見えたり、特に忙しそうでなければ話かけますよね。
でも、話しかけていいタイミングは本人しかわからないことなのです。
こちらがいいと思って話しかけても、相手はそう思っていない可能性も十分にあります。
その点、メールは自分のタイミングで相手に送ることができ、相手のタイミングで確認でき返信することができます。
さらに、言った言わない問題にも役に立つのがメールです。
メールで送ることで、そのメールが記録として残ります。
仕事が速い人は皆、メールの整理・管理がうまい
隣の人にもメールをするようになれば、膨大な数のメールを毎日やりとりするようになります。
そんなときに大事なのは、受信箱を溜めないということです。
受信箱にメールを溜めすぎると、本当に大事なものがメールがわからなくなりますし、その大事なメールを探すのにも時間がかかります。
本書でお薦めしていることは、即答できるメールは即答する方法です。
そもそもすぐ返せるメールを後回しにしたり、時間をかけて返事をすることはビジネスパーソンとして失格です。
まずは読んで、時間がかかる案件は一旦未読にし、すぐに返信できるものは返信しましょう。
また、メールをフォルダー分けすることで、受信箱も整理され管理しやすくなります。
自分のパフォーマンスを最大まで高める仕事術
抱えすぎない、滞らせない「仕事量」の管理法
まずは、任せられた仕事の時間をなんとなく考えておきましょう。
時間内に終わらすには何時間くらいかかるのか、何日くらいかかるのかをある程度考えてから、任せられた仕事を引き受けましょう。
明日中によろしく!と言われて、はい。わかりました。とすぐに返事をしてはいけません。
もし仕事の量的に、2日かかりそうなら、残業が確定ですし、次の日が休みの場合は休日出勤しなければいけなくなるかもしれません。
仕事の内容を確認し、時間内に作業をした場合明日までに終わらないのであれば、「この仕事を明日までは難しいので、明後日までにしてください」と伝えましょう。
そうすることで、残業をする必要もありませんし、仕事も焦らず取り組みことができます。
もし時間内に終わる仕事を任されて、それが時間内に終わらない場合は、仕事の組み立て方に問題があるかもしれません。
ミスなく、時間に無駄がない方法を考えて仕事を組み立てましょう。
仕事に活かすべき「野生の勘」とは?
本書では、時間の感覚や空間の感覚といった感覚(センス)の部分は機械では補えないと書かれています。
例えば、携帯でナビを見ながら目的地に向かっているのに、反対方向に歩いていたり、仕事に没頭しすぎて、時間を忘れたりする人っていますよね。
そういう人は、普段から機械に頼りすぎているのかもしれません。
このように、機械にばかり頼っていると、何が問題なのかというと、失敗に気づきにくくなるということです。
まとめ:ミスをしないことが評価につながる
営業マンは売り上げが達成していたら仕事をサボっても問題ないと聞いたことありませんか?
もちろん問題ないことはないのですが、それほど営業マンにとっては結果が大事なのです。
ただ、事務職などの数字やノルマがない職業もありますよね。
数字で評価できないので、頑張っているのに評価してもらえないと嘆いている人も多いのではないでしょうか。
こういった人が評価を上げる方法はミスをしないことです。
ミスをしない方法さえ知っていれば、必ずミスは格段と減っていきますし、事前に防ぐことも可能となります。
会社にとって、ミスをしない人ほど頼りになる人はいないでしょう。
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