今回は『仕事のミスが激減する「手帳」「メモ」「ノート」術』というビジネス本を紹介しようと思います。
- 書名:仕事のミスが激減する「手帳」「メモ」「ノート」術
- 著者:鈴木真理子
- 出版月:2016年11月9日
- 出版社:明日香出版社
- 定価:本体1,400円+税
仕事にミスはつきものです。人間なのでミスは誰でもします。
と、ミスをする人は考えます。
僕もそうでした。
ただ、ミスをしない人は実在しますよね。
その人がなぜミスをしないかは考えないで、ミスはしてしまうものと自分の都合がいいように解釈していました。
本書では、ミスをしない人に共通することは【記録すること】と書かれています。
記録とは、つまり手帳やノートなどにメモをすることです。
記録することでミスをなくすならぜひやってみたいですよね。
著者の鈴木真理子氏は、さまざまな職業を経験した後、講師派遣型の社員研修を行う株式会社ヴィタミンMを設立し、ミス、ムダ、残業を減らすにはどうしたらいいかを企業研修や公開セミナーで提唱するなど、多くのビジネス現場で活躍されています。
【こんな人におすすめ!】
- メモはとっているがミスをしてしまう人
- メモの整理ができず、ミスをしてしまう人
- 普段からメモを取らず暗記に頼る人
- 手帳は毎年買うが、ほぼ使わない人
この記事は5分ほどで読めます。
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手帳の基本
手帳を見た目のデザインで購入したり、手帳を持っていると出来るサラリーマンに見えるという理由で購入したことありませんか?
僕も社会人になりたての頃に何度かこういった理由で購入したことがあります。
手帳を購入し、仕事ができる人になったと勘違いし、2ヶ月後にはもう鞄の中で眠っている状態でした。
このようなことが起きる原因は、手帳の使い方を知らないからです。
手帳の選び方
ビジネスで手帳を使用する場合、書くことはこの3つに絞りましょう。
- アポイントや書類などの締め切り(約束事)
- ToDoリスト(今日やること、1日の計画)
- 日記(今日の振り返り)
この中で1番重要なことは①です。
約束事を書いておくことで、うっかりミスやダブルブッキングなどのミスを防ぐことができます。
予定はひとつのツールで管理
いろんなビジネス本でも書かれていますが、予定はひとつのツールで管理しましょう。
予定が決まったら、手帳にも書いて、卓上カレンダーにも書いて、チーム共有のカレンダーにも入れて、携帯のカレンダーにも入れる人がいます。
数個のツールに予定を入れることで、どのツールがメインが分からなくなります。
予定を入れる作業が増えますし、どれかのツールに入れ忘れることもあります。
おすすめはアナログの手帳
スマホを利用してスケジュール管理をしている人も多いと思います。
ただ、スマホの難点は、電話をしながら見れないことです。
急ぎの予定や、予定変更の依頼の場合、即答できず一回電話を切って折り返す手間が増えます。
記憶に頼って、予定を入れてしまうとミスへと繋がります。
あと、スマホが普及したとはいえ、スマホをいじりながら仕事をされることを嫌がるお客さんもいます。
これが今は普通と思っていても、相手には普通ではないこともあるので気をつけましょう。
身につけたい4つの習慣
- 手帳とペンをセットしておく:ペンを探す手間が省けるのですぐに記録できる。
- その場で書く:後で書くと記憶が曖昧になりミスにつながる。目の前で確認しながら記録できる。
- 定位置を決める:手帳を探す手間が省けるので、すぐに記録できる。
- 持ち歩く:いつでもどこでも記録できる。記録漏れがなくなる。
手帳の実践的な使い方
締め切りは数字で確認
よくこんな依頼されませんか?
「来週までによろしく!」
この場合、簡単に「はい」と言ってしまうとトラブルの元となる可能性が高いです。
来週までということは金曜日の17時までと解釈してしまいがちですが、依頼した方は早い方が喜びます。
来週までというのは具体的に何曜日の何時までなのか確認し、手帳に記録しましょう。
また、相手が希望する締め切りとは別に、自分の中での締め切りも手帳に記録することで、よりミスを減らせるようになります。
相手が金曜日の17時までと要望してきたら、木曜日の17時までには終わらせるように作業を進めると、何かトラブルがあっても次の金曜日に対応でき、締め切りにも間に合わせることができます。
着手する日を書く
相手の締め切りと自分の中での締め切りを記録することでゴールは設定できました。
ゴールが設定できたら、実際にこの仕事の作業時間はどれくらいかかるか計算し、ゴールから逆算してスタートする日を設定しましょう。
ゴールを設定し、作業時間を設定し、スタートを決めることで締め切りに間に合わないというミスが格段に減少します。
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メモの基本
メモ魔になれ
メモを取るという一手間を惜しんでいるようではミスは減りません。
まずは意識的にメモを取るようにしましょう。
そうすることで、メモを取ることが習慣していき、メモを取るのがめんどくさいなという考えもなくなります。
ミスが多く、そのミスで悩んでいるならメモ魔になりましょう。
それだけでミスは減りますし、お客さんからの信頼度も上がります。
大事な依頼をしているときに、メモを取っている人とメモを取っていない人とどちらが信用できますか?
メモを取っている方が安心して任せられますよね。
メモを取るというのは相手に与える印象も変わってくるのです。
メモ帳の選び方
メモ帳はその名の通りメモを取る道具です。
逆にいえばメモさえ取れればいいのですが、ただ書けるだけだったの裏紙でも構いませんよね。
メモ帳で大事なのは、ミスをしないために自分が使いやすいかどうかです。
小さすぎるメモ帳や切り取りができないメモ帳などは使いにくいです。
小さすぎると後で読み返すときにわかりづらかったり、切り取りがなかなかできずイライラして破いてしまうこともあります。
著者の鈴木真理子氏がお薦めしているメモ帳は、銀座伊東屋のリーガルパッドというメモ帳です。
仕事を楽にする方法
仕事の全てを暗記しようとしなくて構いません。
仕事でミスをしない人は、全ての業務を完璧に頭で覚えているわけではありません。
しっかりとメモを取るなどして、文字で残しているので、忘れてもそれを見直せばいいだけなのです。
そもそも人間は、時間の経過とともに記憶力は低下するようにできています。
本書でも紹介されていますが、エビングハウスの忘却曲線というものがあります。
これは、覚えたことの42%を20分後には忘れ、1時間後には56%忘れ、1日後には74%も忘れていたという実験結果のグラフのことです。
仕事でミスをなくし楽に作業を進めたいなら記憶に頼ることは止め、メモ魔になりましょう。
メモの実践的な使い方
パソコンに貼る付箋は3枚まで
付箋を貼りすぎて、孔雀みたいになっているパソコンを見たことありませんか?
たくさん貼れば貼るほど、何が重要なのかの優先順位がわからなくなりますし、クーラーの風や、人が通った勢いで付箋が外れることもあります。
そして、何が外れているのかさえも分からなくなってくるので、ミスを起こしやすくなります。
本書では、付箋は3枚までで、優先順位の高い順に並べて貼りましょうと推奨しています。
お願いごとは付せんに書いて渡す
口頭でお願いしてしまうと、1番厄介な言った言わない問題に発展します。
お願い事は付箋に書いて、直接渡しましょう。
相手が不在の時に机の上に貼るのはあまりお薦めしません。
これも剥がれてなくなる可能性があるのと、もらったもらっていない問題が発生するからです。
遅刻しない出発時間メモ
遅刻しないためには、アポの時間だけもメモるのではなく、何時に会社を出たら相手との待ち合わせ場所に着くのかを逆算し、会社を出発する時間もメモしておきましょう。
遅刻をする人は遅刻をしたくてしているわけではありません。
何時の電車に乗れば間に合うかもわかっています。
ただ、何時に家を出発したらいいのか、何時から準備を始めたら家を出発できるのか、そのために何時に起きたらいいのかを把握できていないのです。
何時くらいに起きたら、何時くらいに家を出たらと、曖昧な時間設定をしがちです。
7時くらいに起きるのではなく、必ず7時に起きる、8時くらいに家を出るのではなく、必ず8時に家を出るように設定し動きましょう。
朝のうっかりをなくすメモ
絶対に忘れたくないものは、玄関のドアに書いて貼っておくのがお薦めです。
家を出る時に必ず触れるものや必ず通る導線に物を置いたり、紙に書いて貼っておくのは有効な方法ですね。
メモはシュレッダーにかける
メモには個人情報などが含まれています。
必ずシュレッダーにかけ処理しましょう。
付箋を貼りすぎてパソコンが孔雀状態になっていると、剥がれ落ちる可能性も増えて、個人情報や仕事の情報が誰かに見られる可能性も高くなります。
ただのメモに見えても、大事な情報であることには変わりないので気をつけましょう。
ノートの基本
手帳とメモ帳があればミスは格段に減ります。
ではノートはどういう時に使用するのでしょうか。
それは、自分用のマニュアル書です。
ノートを使用する場面
学生と社会人ではノートの使用方法が異なります。
学生は数式や年号、単語などを覚えるためにノートを使用しますが、社会人は覚えないようにするためにノートを使用します。
例えば、1ヶ月の仕事の流れをノートに書いてまとめておけば、そのノートを渡すだけで、違う人に引き継げますし、急遽病欠で何日も病んだとしてもそのノートを見れば対応できます。
社会人になると覚えないといけないことが多すぎるので、あえてノートに書くことで覚えなくてもいい仕組みを作っておくのです。
頭で覚えようとすると忘れてしまった時に、一から調べ直さないといけません。
ノートを見るだけで答えがわかるようにしておけば、ミスも減るし、仕事の効率も格段に上がります。
ノートに書くときのルール
ノートを使用する理由は、仕事を効率よくミスなくするためです。
なので、そのノートは見やすくわかりやすいものでなくてはいけません。
マニュアルの順番がバラバラに書かれていたり、殴り書きで文字も読みづらかったり、ぎゅぎゅうに詰め込みすぎていると見づらく、逆に仕事のスピードが遅くなります。
ノートを書くときのルールとして、忘れてはいけないことが下記の2つです。
- 1案件につき見開き1ページ
- 「記入日」+「タイトル」を記入
1案件のマニュアルと作成して、余白が余ったとしても次のページに移りましょう。
誰が見てもわかりやすく見やすいノートが正しいノートの使用方法です。
ノートの実践的な使い方
ノートと手帳とメモを役割ごとに使い分けましょう。
ノートと手帳はダブルで使う
ノートをメモがわりにしたり、ノートにスケジュールを書き込んだりしていませんか?
ノートというのは分からないときに見返すもので、毎日見るものではありません。
そこにスケジュールやメモ書きをしていれば必ず見落としが発生し、ミスにつながります。
ノートはノートとして使い、手帳は手帳として役割を分けて使用しましょう。
下調べした資料をまとめる
得意先と会う時や企業に訪問するときに、何も知らない状態で伺うと信用を失います。
会社を始めて何年ですか?何が1番売れていますか?この業界は景気どうですか?
このようなことはネットで調べればすぐにわかります。
下調べをせずに訪問する営業マンと下調べをして訪問する営業マンでは信用度合いが全く違います。
その下調べに使用するのに最適なのがノートです。
訪問先のホームページを印刷してノートに貼っておくとか、この会社でいちばんのお薦め商品が何かを調べノートに書き込んでおくなどしておくと話を聞いてくれやすくなります。
本書では、相手との共通点などを調べて書き込んでおくこもお薦めしています。
例えば、社長の出身地が同郷ならその話ができますし、趣味が野球なら野球の話で盛り上がれます。
会議で意見が言えるノート
会議に出席して何も話さずに終わる人は欠席しているのと一緒です。
会議も仕事の一部なので時給が発生しています。
ただ座っているだけの仕事はありませんので、仕事をサボっていると思われても仕方がないことです。
そのためにノートを有効活用しましょう。
会議にも大きなものから小さなミーティングレベルのものまでありますが、大抵は事前に会議資料を渡されると思います。
事前に会議資料を確認し、自分の意見や気になる点はノートに書いて会議に挑みましょう。
会議中に自分の考えや意見が浮かんだらすぐにノートに書き出しましょう。
発言する時は、相手が話している時や他の人が意見を言っている時は割り込まず、しっかりと話を聞きましょう。
そして、どんな意見でも否定せずに、一旦は受け止めてから、自分の発言をしましょう。
ヒヤリ・ハットを書いておく
上司に報告するまでもない、小さなミスや自分で解決できるミスは意外に多いです。
この小さなミスや凡ミスというのは、大きなミスにつながる前兆です。
ヒヤリ・ハットの出来事をノートにまとめておくことが、ミスの予防につながります。
まとめ:ミスをなくすことが夢を叶えることにつながる
ミスをなくすには、メモを取り、手帳にスケジュールを書き込み、ノートにマニュアルを作成することが大事です。
ミスがなくなると仕事のスピードが速くなり、時間に余裕ができます。
空いた時間で何をするのか、夢を叶えるために時間を使うのか、目標を達成するために勉強するのか、ゆっくり休んで心を癒すのか、人それぞれだと思います。
まずは、その空いた時間で何をしたいのかメモに書いてみましょう。
そのメモを見て、目標や夢が見つかれば手帳にまとめましょう。
そして、手帳にまとめた目標や夢の具体的な道筋をノートに書きましょう。
出来上がったノートは、夢を叶えてくれるノートになります。
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