今回は『雑談力が上がる話し方』というビジネス本を紹介しようと思います。
書名:雑談力が上がる話し方
著者:齋藤孝
出版月:2010年4月8日
出版社:ダイヤモンド社
定価:本体1,429円+税
偶然エレベーターで会社の先輩と一緒になったり、得意先との会話で起きる沈黙など、会話が弾まず気まずくなる時ってありますよね。
そんな時に救ってくれるのが雑談です。
雑談は、芸人やトップセールスマン、クラスの人気者である話が上手な人しか、雑談はできないと思っていませんか?
本書では、話が上手な人と雑談が上手な人は違うと書かれています。
なので、口下手な人や緊張しやすい人でも問題なく誰でも雑談は上手にできるようになります。
この本を書かれた齋藤孝先生は、テレビでも見ることも多く、コメンテーターからバラエティまで幅広く出演しています。
東京大学法学部卒業。 東京大学大学院教育学研究科学校教育学専攻博士課程等を経て、明治大学文学部教授。 専門は教育学、身体論、コミュニケーション論。
東大卒で明治大学文学部教授、テレビや雑誌などでも幅広く活躍、専門はコミュニケーション論、書いた本が50万部のベストセラー、これだけの実績がよりこの本の信憑性を高めていますよね。
【こんな人におすすめ!】
- 初対面の人と話すのが苦手
- 仕事上、雑談する状況が頻繁にある
- 沈黙が苦手
- コミュニケーションが苦手
雑談力が1番発揮するのは場所は仕事場です。
この本を読み雑談力を身につけることができれば、自ずと評価が上がり仕事もうまくいくでしょう。
この記事は5分ほどで読めます。
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雑談は話術やトーク術とは違う
雑談の5つのルール
① 雑談は「中身がないこと」に意味がある
雑談の内容に中身がある必要はありません。
むしろ中身がないことに意味があるのです。
② 雑談は「挨拶プラスα」でできている
挨拶は雑談ではありません。
ただ、挨拶が雑談のきっかけを作ってくれます。
その時に必要なのが、プラスαの一言です。
例えば、
「こんにちは。今日は良い天気ですね。」「そうですね。気持ち良いですね。」
「今週はずっと良い天気みたいですよ。」「本当ですか?洗濯物もよく乾きそうです」
これは雑談ではなく、挨拶レベルです。
雑談はこの後にプラスα付け加えます。
「ただ、花粉がすごいみたいで、花粉症の人は大変みたいですよ。花粉症大丈夫ですか?」
「実は昔から花粉症でして、、、」
「あ、そうなんですか。実は僕も去年から急に花粉症が発症しまして、もしおすすめの薬とか対策があります?」
「私はいつも〇〇って点鼻薬使ってますよ。おすすめです。」
「ありがとございます。今度、耳鼻科に行く予定なので参考にさせてもらいます。」
文字にしてみると長く感じるかもしれませんが、秒数にすると10秒〜20秒ほどです。
これだけで相手に対する安心感や信頼感が変わってきます。
③ 雑談に「結論」はいらない
結論に対して、異論・反論を唱えたら雑談ではなく議論になってしまいます。
例えば、
「芸能人の〇〇が不倫したらしいですよね。」
「不倫は絶対ダメだよ。」
確かに不倫はダメなのですが、結論を出してしまうとそれ以上会話が続かなくなります。
「え、誰と不倫したの?相手も芸能人?」
「一般人って書き方だったけど、IT社長らしいです。」
「やっぱりIT社長はモテるんやなー。でも、IT社長とか経営者を一般人って呼んでほしくないよね。」
「確かに。一般人は僕らみたいな人ですもんね。」
「僕らって、先輩の俺も入れた?」
「もちろんです!」
少し冗談も入れると、さらに先輩との関係も良好になりそうですね。
無理に話をまとめたり、オチを作る必要もありません。
④ 雑談は、サクッと切り上げるもの
先ほども言いましたが、雑談はオチも結論も必要ありません。
話の終着地点はないのです。
なので、話を終わらせるタイミングは、いつでも構いません。
「それでは」「じゃあ、また」を活用しましょう。
話の途中でも、サクッと終わらせることで、相手も安心します。
この人の話はキリよく切り上げてくれるから気軽に話ができる、となるのです。
⑤ 訓練すれば誰でもうまくなる
雑談は、話術やトーク術ではありません。
雑談とは、会話を利用してその場の空気を生み出す技術です。
コミュニケーション能力が低いと思っている人や、口下手な人、人に話しかけることが苦手な人でも、技術があれば誰でも雑談が上手くなります。
雑談の基本マナー
5つの基本マナー
① 目の前の相手の、「見えているところ」をほめる
何を話せば良いか迷ったら、まずは見えている部分を褒めてみましょう。
例えば、
「スーツおしゃれですね。似合っています。」
「おしゃれなスマホケースですね。センスあります。」
ちなみに、見た目や職業、学歴などを褒めるのはあまりおすすめしないと書かれています。
褒めるにあたって大事なのは、その人に気に入られようとするのではなく、その場を和ませようとすることです。
「イケメンですね。」「綺麗ですね。」「頭良いですね。」
これは褒めではなく、ゴマすりとなります。
② 「いや」「しかし」はNG。まずは肯定・同意から
相手がふってきた話に対して、否定的な回答をすると会話が終わります。
例えば、
「新入社員の受付の子可愛いよね。」「そうですか?あまり可愛いとは思わないですけど。」
これでは話が進みませんし、次から話をかけようと思われません。
「新入社員の受付の子可愛いよね。」「そうですね。可愛らしいですね。」
「ああいう子タイプなの?」「タイプではないんですけど、愛嬌のある感じがして誠実そうですよね。僕は綺麗な子がタイプなんですよ。先輩のどんな女性がタイプですか?」
この方が話が盛り上がりそうですよね。
③ 「で、何の話していたんだっけ?」が理想系
本書には、最初に話していた話題がわからなくなるのが、良い雑談の証拠と書かれています。
一つの穴(話題)から、次から次へと派生して広がっていくアリの巣みたいなイメージが雑談の理想です。
妻がママ友とのランチから帰ってきた時の僕との会話です。
「楽しかった?」
「めっちゃ楽しかった。」
「なんか面白い話題あった?」
「えーと、、何話してたっけ?話すぎて何話したか忘れたわ。」
まさに雑談の理想ですよね。
④ 一問一答は拒絶と同じ。「一問二答以上」が返しのルール
会話のキャッチボールができている状態というのは、自分に向かって飛んできた言葉を受け取り、相手に向かって言葉を戻し、また自分に向かって言葉が飛んでくる、これを繰り返すことです。
まさに一問二答です。
一問一答は、自分に向かって飛んできた言葉を受け取り、相手がいない方向に向かって言葉を投げることです。
例えば、
「趣味とかあるの?」「特にありません。」
「普段車運転する?」「しません。」
これは一問一答です。
「趣味とかあるの?」「特になくて困っています。何かおすすめの趣味ありますか?」
「おすすめかー。僕の趣味は本を読むことなんだけど、小説とか興味ある?」
「読んだことないですね。文字を見ると眠くなるんですよ。」
「活字が苦手なら、実写化された小説ならどう?映画なら見れるんじゃない?」
「確かにそれなら見れそうです。」
「〇〇って映画は元が小説なんだけど、原作に忠実だからおすすめだよ」
こうなると雑談の完成です。
⑤ 「自意識」「プライド」のハードルを下げると、ラクになる
雑談にオチも結論も必要ないと言いましたが、それと同じくらいうまく話そうとする必要もありません。
オチがないから、面白くないから、うまく話せないから、このように思っている場合は、自分のことしか考えていない状態です。
相手は会話のキャッチボールを求めているのです。
投げたボールを金属バットでホームランを打ってほしいわけでありません。
ただ、ボールを投げ返してほしいだけなのです。
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ビジネスで活用できる雑談力
雑談力が最も発揮するのがビジネスです。
自分の職場で、仕事ができる人、出世する人、みんなから愛されている人、を観察してみてください。
ほとんどの人が雑談が上手だと思います。
① 面接の雑談で、柔軟性と切り替え能力が試される
大転職時代の今、面接の機会も多いと思います。
面接の時に、仕事とは関係のない話を急に振られた経験ありませんか?
これは緊張をほぐし話しやすい環境をつくるために面接官が気を遣っているわけではなく、いかに本題以外のムダ話(雑談)ができて、臨機応変に対応できる柔軟性持っているかをチェックしているのです。
急に話を振られて、言葉に詰まったり、否定的な回答をしてしまうと面接での評価が下がるかもしれません。
② ニュートラルな人は雑談がうまい
ニュートラルな人というのは、グループや派閥に属さず、誰とでも隔てなく接することができる人のことです。
上司や先輩に可愛がられ、後輩からは慕われ、女子社員からも人気があるようなタイプで、こういったニュートラルな人は圧倒的に雑談が上手です。
なぜなら、誰とでも隔てなく接することに必要なことが雑談だからです。
例えば、サッカーに詳しい人が、サッカー好きの先輩とはサッカーのネタで会話ができますが、サッカーに興味がない女子社員とは会話が成立しづらいですよね。
何度も言いますが、雑談に中身やオチは必要ありません。
だからこそ、性別、年齢関係なく誰とでも会話ができるのです。
そういったニュートラルな存在が1人でもいると、その場が安心できる空間となるのです。
③ 組織での評価も人望も、つまるところムダ話ができる人かどうか
本書には、ビジネスにおいて、ニュートラル雑談力は最強の武器と書かれています。
ニュートラルな人が評価も上がり、人望も厚くなる理由は、誰とでも平等に接しているため物事が客観的に見れるからです。
周りから敬遠されている上司や、癖の強い先輩やミスばかりの後輩にでも平気で話をかけ雑談ができる人っていますよね。
そういう人は評価されやすく、周りからも助けられて出世していきます。
④ 雑談力はビジネスのセーフティーネットになる
仕事で同じミスをしても対応が違うことありますよね。
この先輩は許されたのに、この先輩は叱られるみたいな光景を見たことがあります。
一見理不尽に見えますが、それは普段から雑談でセーフティーネットを張っているからです。
- 普段から話しかけても一言しか返ってこない後輩
- 普段から公平に雑談をしているニュートラルな後輩
②の方が許される可能性は高いですよね。
まとめ:気まずくならないために雑談力を鍛えよう!
雑談にオチや内容を求めないことを、まずは自分が理解しましょう。
僕も初対面の人と話をする時は身構えてどんな話をしようか考えてしまいます。
この話は中身がないな、この話のオチは弱いな、と頭で考えれば考えるほど口を動かすことができなくなり、沈黙となり気まずい空気が流れます。
これは完全に自分が上手く話せると思い込んでいるのです。
僕は芸人でもコメンテーターでもなくただのサラリーマンです。
ただのサラリーマンにすべらない話やタメになる話が上手く話せるわけありません。
ましてやそれが初対面や得意先の人、先輩や上司なら尚更です。
そして、それを相手も求めていません。
上手く喋ろうとして変な感じになったり、考えすぎて沈黙になるなら、何でも良いから話をしてくれた方が相手は安心します。
安心できる空気になれば、相手も話をしやすくなりますよね。
雑談に対する考えを改め、中身のない会話をどんどんしていきましょう。
それが仕事へのステップアップにつながる第一歩となると思います。
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