僕が本を読むようになったのは大学生の頃です。
ここで言う本というのは、小説、ビジネス本、自己啓発本などを指します。
学校の授業で使う国語の教科書さえも、読むのが嫌だった僕が、
なぜ大学生になって急に本を読むようになったのか。
それは、本を読んでいる大学の先輩が知的に見えたからです。
大学のキャンパスにあるベンチで読書をしている先輩を見て、
これが大人への階段だ、と思ったごりすけ青年だったのです。
そして、香川県にはない規模の巨大な紀伊國屋書店に行き、
生まれて初めて小説を購入しました。
何から読んだら良いか分からなかったので、
本屋大賞にノミネートされていた本から選ぶことにしました。
本屋大賞とは、一年の間で本屋さんの店員が実際に読んでみて「面白かった」、「お客様にも薦めたい」、「自分の店で売りたい」と思った本を選び投票し、それをランキング形式にしたものです。
その当時に本屋大賞1位だったのが『一瞬の風になれ』でした。
ただ、3部作とかなりの量だったので、2位の『夜は短し歩けよ乙女』を選びました。
それから小説にハマりました。
最初は不純な動機でしたが、いつしか小説の魅力にどっぷり浸かっている自分がいました。
大学時代は小説を読み、
社会人になってからは、ビジネス本や自己啓発本を読み漁るように変化していきました。
そして出会ったのが『嫌われる勇気』という、ビジネス本です。
この本を読んで、自分の人生について色々と考えさせれらました。
『嫌われる勇気』がベストセラーになったのが2014年なので、ちょうど10年前です。
僕が最初の転職をした時期くらいです。
タイトルのインパクトがまず強烈ですよね。
だって、ほとんどの人が周りから嫌われないように生きていませんか?
特に社会人になると、どうすれば上司に気に入られるか、
どうすれば先輩から可愛がられるか、どうすれば同期から好かれるかを考えていました。
その考えを、タイトルの一行で否定されたのです。
これは読むしかないですよね。
ここで、どんな内容かを説明していくにはあまりにも膨大な量になってしまうので、
僕が感銘を受けた部分だけ切り取って感想をお伝えできたらと思います。
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無意識的に変化にストップをかけている?
この『嫌われる勇気』の前提は、
自分に自信がなかったり、現状の生活に不満がある人を対象として書かれています。
そして、この本がベストセラーになったということは、
自分に自信がなかったり、現状の生活に不満がある人が多いということです。
周りにもネガティブな発言や、不満ばかり言っている人いませんか?
僕もその1人でした。
現状に不満を持ち、うまくいかないのは他人のせいにしていました。
飲み会の話題といえば、不満や愚痴ばかりで、
その場では改善案を出したりして、今の環境を打破しようと考えるのですが、
行動に移すことはなく、次の日にはまた同じ愚痴をこぼしていました。
こんな状況で仕事もプライベートもうまくいくはずありませんよね。
不満があって、現状を変えたいと思っていても、
行動に移せなかったり、行動に移すまでに時間がかかるのはなぜでしょうか。
それは、
変わること(行動すること)の怖さと変わらないことの安心が原因です。
変わることの怖さ=不安です。
この不安と安心が、変わろうとしている自分に無意識的にストップをかけているのです。
変わらないことの方が楽?
この本には、
「もし何々だったら」と可能性の中に生きているうちは、変わることはできない。
という一文があります。
例えば、
「お金持ちになるために自分で会社を作ろう!でも、もし失敗したら、、」
「大企業に転職するぞ!でも、もし今の職場より環境が悪かったら、、」
「彼女が欲しいから告白しよう!でも、もし告白して振られたら、、」
このように、無意識のうちに自分でブレーキをかけ、
よくよく考えてみたら変わらない方が楽じゃない?という思考になり、
完全にストップしてしまうのです。
転職のために資格の勉強をしようと思っていても、
仕事が終わり、家に帰って最初にすることは、
ソファーの上で携帯を触ることじゃありませんか?
彼女が欲しいと、彼女がいない先輩や友達と飲みの席で盛り上がって、
芸能人と付き合うなら誰が良いみたいな話していませんか?
ビジネス本を買って、買うことに満足して、
そのまま本棚にしまっていませんか?
ダイエットは明日からと言って、
お酒を飲んだ後に、デザートを食べていませんか?
自分に自信はないし、今の生活に不満はあるけど、
最終的に「まあ、いっか」となっているのです。
その方が、楽だし安心なんですね。
だから、変わらずに不満を言い続けて、変わらない毎日を過ごすことになるのです。
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自分を変えることができるのは自分だけ
変わらない方が楽で安心かもしれませんが、
だからと言って、それを本人が納得しているわけではありません。
現状に対する不満と、変わろうとする(行動する)不安、
この不満と不安は解消しない限り、永遠に付き纏ってきます。
そして、この本では、
不満と不安が不幸につながる、と書かれています。
不幸にはなりたくないですよね。
出来れば幸せな人生を送りたいです。
不満と不安が不幸につながるなら、
この不満と不安を解消しない限り幸せにはなれません。
変わらないと決めた瞬間は、楽だし安心かもしれませんが、
長い目で見たら、それは不幸になるための行動ということになります。
なので、もし現状に不満があって、
もっと幸せな人生を過ごしたいと思うなら、答えは一択です。
変わるしかない。
結局ここに戻ってきます。
変わらない限り何も進まないのです。
では変わるためには何をすべきなのでしょうか。
『嫌われる勇気』に変わる方法が書かれています。
それは、「今のライフスタイルを止める」という決心をすることです。
これは、今の生活を変えるには勇気が必要ということです。
勇気?
精神論なの?
そう思った人もいるかもしれませんが、
勇気というのは行動するための原動力になります。
変わることへの不安、変わらないことへの安心、
そういった無意識にストップをかけている現状を打破するには、
「まあいっか」ではなく、勇気を振り絞り、
「よし、やるぞ」でなくてはいけません。
この本では、このことを幸せになる勇気と言っています。
馬を水辺に連れていうことはできるが、水を飲ませることはできない
これは、現状を変えて幸せな毎日を送る方法を教えることができても、
それを実際に行動させることはできない、ということです。
つまり、自分を変えることができるのは自分しかいないのです。
そのために必要なものが幸せになる勇気なのです、
自由とは他者から嫌われること
幸せになる方法は簡単です。
不満と不安を解消するために今のライフスタイルを変えるだけです。
これを読んでふと思ったことがあります。
そんなことはみんな分かっているんじゃない?
そう、それも分かっているのに、行動できないので困っているのです。
では、なぜ幸せになる勇気を振り絞ることができないのか。
それは嫌われたくないからです。
幸せになる勇気を持った先に待ち受けるものこそが、
嫌われることなのです。
社会に出てサラリーマンとなり、会社の一員として働き続ける限り、
嫌われることは何よりも支障をきたす行為と言って良いでしょう。
周りの人から嫌われないようにすることで、
仕事が円滑に回るからです。
でも、だからこそ、みなさん現状に不満があるのです。
社会人として、会社の一員として、生きていくには、
我慢しなければいけないことが多いです。
会社のルールに納得がいかなくても、
その会社で勤めている限り我慢しなければいけません。
嫌いな上司や苦手な先輩、気が合わない同僚に気を使うのは嫌だけど、
仕事を円滑に回すには我慢しなければいけません。
つまり、嫌われないことは我慢することなのです。
ということは、嫌われるということは我慢しないということです。
そして、我慢しないことが自由になれる第一歩だとこの本には書かれています。
自由とは他者から嫌われることである。
他者の評価を気にかけず、他者から嫌われることを恐れず、
承認されないかもしれない、
というコストを支払わない限り、自分の生き方を貫くことはできない。
幸せになる勇気を振り絞ることは、
我慢しない自由な生き方をするということにつながります。
ただ、その行為にはリスクが伴い、
そのリスクが他人に嫌われるということなのです。
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自分の選択を他人がどう思うか自分には関係ない
自由に生きようとすると、周りから嫌われます。
それは避けれらません。
会社の一員であれば、評価が下がることもあるし、
最悪クビになることもあるでしょう。
今まで仲が良かった友達が離れていくこともあると思います。
でも、そんな職場や友達といることに不満があったのですよね?
だったら、そういった人から嫌われようが離れていこうが気にする必要はありません。
自由に生きると選択したのであれば、
その選択に共感してくれたり、応援してくれる人は必ず現れます。
嫌われる勇気を出して、自由に生きることを選択したことに対して、
他の人がどう思うかは関係ありません。
なぜなら、他の人がどう思うかはその人の問題であって、
僕らにはどうすることもできないからです。
周りから、自己中心的に思われたり、協調性がないと思われることでしょう。
でもそれを決めるのは自分ではなく、他の人なのです。
会社の先輩が自分を嫌ったとしても、それはその先輩の考えであり、
その先輩の人生の一部です。
その先輩に嫌われないように生きるのは、
その先輩の人生を生きていることになりませんか?
誰かの人生を生きているわけではありません。
みんな自分の人生を生きているのです。
自分の人生なら、誰かにどう思われるか心配しながら生きるより、
他者に嫌われようが、自分が生きたいように生きる方が幸せですよね。
自由に生きる条件は他者への貢献
今までの話をまとめるとこうなります。
現状に不満があるなら、変わらなければいけない。
変わるためには幸せになる勇気を持たなければいけない。
幸せになる勇気の出し方は、自分で出すしかない。
幸せになる勇気を出して行動すると、他者から嫌われる可能性がある。
他者から嫌われるというリスクに屈しない勇気が必要。
それが嫌われる勇気。
嫌われる勇気の先に自由な生き方がある。
自由な生き方を選択したことに対して、周りがどう思うかは関係ない。
では、自由な生き方とはどういった生き方なのでしょうか。
自由に生きるとは、他人に迷惑をかけることではありません。
「自分の信じる最善の道を選ぶこと」、これが自由に生きるということです。
自分が信じた最善の道が、例えば、迷惑ユーチューバーだとしましょう。
他人に迷惑をかけて、周りから嫌われても、
再生数は稼げて、お金も稼げるので、これが僕の最善の道です。
自由に生きるためにこれからも迷惑ユーチューバーとして、
周りから嫌われて生きていきます。
これを聞いてどう思いますか?
周りがどう思おうが、本人には周りの考えをどうすることもできないし、
本人が最善の道というなら仕方ないのかと思うしかないように思えます。
ただ、この場合、本人が幸せになることはありません。
それはなぜか。
人の役に立っていないからです。
この迷惑ユーチューバーという職業は、自分のためにしかなっていません。
誰の役にも立っていないのです。
誰かの役に立っていないとなぜ幸せになれないのか。
この本にはこう書かれています。
人は誰かの役に立っていると思えた時にだけ、
自らの価値を実感することができる。
誰かの役に立ち、感謝の言葉を聞いた時に、
自らが他者に貢献できたことを知ることができるのです。
誰かのために生きる?
それは自分のために生きていないのではないのか?
今までの自由に生きることと矛盾しているのではないか?
と思う方も多いでしょう。
一見、矛盾しているように思えますがそんなことはありません。
誰かのために生きるというのは、
自分を捨てて我慢して社会の歯車で生きていくことではありません。
誰かのために生きるというのは、誰かに尽くすことではなく、
むしろ自分の価値を実感するためにこそなされるもの。
人は誰かの役に立っている時にだけ自分の価値を実感できると言いました。
それは誰かのために生きることが、自分のために生きることにつながるからです。
自由に生きるために、
最善の道を選ぶこと。
この最善の道というのは他者へ貢献するための道なのです。
なので、自由に生きるための最善の道は、
必ず誰かの役に立つことでなければなりません。
嫌われる勇気を持つことは、
最終的に誰かのために生きることに繋がり、
それが自分のために生きることとなるのです。
嫌われる勇気とは
嫌われる勇気という言葉だけを見ると、
嫌われても自分の思うままに生きること、と勘違いしそうですが、
そうではありませんでした。
現状に不満があるなら、変わらないといけないし、
変わるためにいろいろなリスクが生じることを受け入れないといけません。
そして、変わる目的が誰かのためになることでなければ、
それはただの迷惑になってしまいます。
嫌われる勇気というのは、他者との関係を離すように思えますが、
根っこの部分では、むしろ他者との関係がキツく結ばれているように感じました。
不満を取り除くことは、今のライフスタイルを止めるとありましたが、
そこに全てが詰まっているように思えます。
つまり、今関係しているすべてのものから離れるということです。
それは人間関係だったり、生活環境だったり、
自分が不満に思っていることに対しての全てからの脱却です。
それが変わる勇気であり、
変わることで生じるリスクに対しての、嫌われる勇気につながります。
嫌われる勇気の嫌われることは、
他人に迷惑をかけて自由気ままに生きることではありません。
嫌われてでも、自分が最善の道だと思う選択をすることです。
そして、その最善の道が、誰かの役に立っていること、
これが嫌われる勇気の条件なのです。
『嫌われる勇気』を読んで、
1番心に響いたのが、誰かの役に立つことが自分のためになる、ということです。
自分が今やっていることに意味はあるのだろうか?
今の仕事は誰かの役に立っているのだろうか?
この本に出会って、今の人生が本当に自分の理想とするものだったのか、
いろいろと考えさせられて、自分を見つめ直すきっかけになりました。
ほんの少しの勇気が人生を大きく変えることがあります。
もし今の人生に不満があるなら、
一歩踏み出す手助けをしてくれる本で間違いないでしょう。
そして、このブログもみなさんの人生に少しでも役に立っていれば幸いです。
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