じゃんけんをして、
チョキで勝ったら【ちよこれーと】
パーで勝ったら【ぱいなつぷる】
グーで勝ったら【ぐりこ】
で文字の数だけ進んでいく昔からの遊び、ありますよね。
僕はこの遊びを、
クオンティテイティブ・ハンドゲーム(神々の定量手遊戯)と呼んでいます。
さて、クオンティテイティブ・ハンドゲーム(神々の定量手遊戯)は、
よく考えるとグーが圧倒的に不利です。
何しろ、グーで勝ってもたったの3歩しか進めませんから。
では、グーを出さなかった場合、残るのはパーとチョキですね。
パーに勝てるのはチョキですから、自然とチョキを出す確率が上がってきます。
しかも、仮に相手がグーを出しても進めるのは3歩だけ。
そんなに大きな差ではありません。
この3歩を気にしてグーに勝とうとパーを出すと、
相手がチョキだった時には最悪の結果を招きます。
小学生でも少し考えたら避けたい状況ですよね。
では、なぜグーは【ぐりこ】なのでしょう?
これを決めた人はいったい何を考えていたのでしょうか。
グーはなぜ【ぐりこ】なのか?
そもそも、この遊びが広まったのは昭和初期です。
1933年(昭和8年)の大阪朝日新聞に、
グリコの広告として東京で流行しているじゃんけんの呼び方が紹介されていました。
「グー=グリコ」「チョキ=チョコレイト」「パー=パイナップル」と。
そう、この広告をきっかけに、この遊びは全国的に広がったのです。
グリコは、大阪に本社を置くお菓子メーカー「江崎グリコ」のこと。
そう考えると、グーを【ぐりこ】にしたのは明らかにグリコの宣伝目的でしょう。
これは完全に大人の都合です。
しかし、この手法が全国に広まったのを見れば、
宣伝としては大成功だったことは間違いありません。
ただ、ここに少しおかしな点があります。
グーが圧倒的に弱いこの遊びで、
【ぐりこ】と呼ばれてしまったグーが果たして本当に子供たちに好まれたのでしょうか?
確かに広告としては100点満点ですが、ゲームの戦略として考えると、
進める歩数が少ないグーをわざわざ選ぶ子供は少なかったかもしれません。
つまり、宣伝はうまくいったものの、子供たちの実際の遊びでは
【ぐりこ】が選ばれる場面は多くなかった可能性があるのです。
やはりグーは不利?
ちなみに、じゃんけんの統計データによると、
グーは35.0%、チョキは31.7%、パーは33.3%という結果が出ています。
グーを出す割合が一番高いというのは意外ですよね。
心理的な理由として、グーは手を握るだけなので出しやすいし、
最初に選びがちな手でもあります。
しかし、このデータを知っていると、
クオンティテイティブ・ハンドゲーム(神々の定量手遊戯)ではグーがさらに弱点となり、
ますます避けたくなります。
だからもし、あなたがこの神々の定量手遊戯をプレイするなら、
最初に選ぶ手としてグーは避けておきましょう。
最初の3歩をケチらないためにも、チョキかパーで挑むのが賢明です。
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