夕方になると、山の辺りの空が暗くなり、
遠くからゴロゴロと雷の音が聞こえてきます。
夏の風物詩の一つですが、雷の音にはいつもドキドキしてしまいますよね。
子供の頃、こんな言い伝えを聞いたことはありませんか?
「雷が鳴ったら鬼さんにへそを取られるから、隠しておきなさい」
なぜへそを取られるのでしょうか?
雷が鳴るときには、気温が急に下がることがあり、体が冷えやすくなります。
お腹も冷やしやすくなるため、昔の人々は「へそを取られる」という表現で、
子供たちにお腹を冷やさないように注意させていたのです。
まさに親の知恵ですね。
ちなみに、雷という言葉の語源は「神鳴り」です。
神様が鳴らす音という意味です。
風神雷神の雷神様は雷の神様で、
鬼の姿をして太鼓(連鼓 れんつづみ)を背中に背負っています。
この太鼓が神様が鳴らす音だとされています。
なぜ神様なのに鬼の姿をしているのでしょうか?
昔の人々は、雷や台風、地震などの自然現象を「鬼」や「霊」の仕業と考えていたため、
風神雷神も鬼の姿をしているのです。
ちなみに、霊としての鬼の正体は人間自身であり、
邪念や嫉妬によって悪霊となり、鬼の姿に変わったとされています。
僕の家にもたまに鬼が現れます。
それは、4歳の子どもと家の中でサッカーや野球をしていて、
ボールが掛け時計に当たったときのことです。
家の中に恐ろしい形相の鬼が現れます。
普段はおおらかな母親が、その時ばかりはまるで鬼のように怒るのです。
「いい加減にしなさい!!」と家の中に雷が落ちます。
そして僕は子どもこう言います。
「へそを隠す前に、頭を守りなさい」と。
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