何においても、気持ちが大事と言いますよね。
例えば、料理。
妻や彼女が作ってくれた手料理が仮に美味しくなくても、
夫や彼氏のために一生懸命作ってくれた、その「気持ち」が一番嬉しいのです。
味ではなく、そこに込められた想いが心を満たしてくれるのです。
プレゼントも同じです。
何をもらったかよりも、相手が「何を贈ったら喜んでくれるか」
と一生懸命考えてくれたことが、何よりの喜びではないでしょうか。
そこにこそ、感動があるのです。
結局、何をもらうかではなく、誰からもらうか。
どこに行くかではなく、誰と行きたいか。
目に見えるものではなく、目に見えない「気持ち」が大事だと、よく言います。
では、気持ちより大事なものなんてあるでしょうか?
そう思うかもしれません。
でも、実は受け取る側の気持ちこそが、時にはそれ以上に大切なのです。
数年前、手紙を書いてくれた人を探すTV番組が放送されていました。
その手紙をもらった男性は、小学生の頃に震災で被災し、辛い時期を過ごしていました。
そんな彼が遠く離れた見知らぬ小学生からもらった励ましの手紙。
それは、ただの一通の紙きれではなく、
彼にとって生きる力を与えてくれた大切な宝物でした。
「ずっとこの手紙に支えられてきました。どうしても感謝を伝えたい」
彼はそう語り、書いた本人を探し始めたのです。
そしてついに再会が実現しました。
長年の思いを胸に、彼はお礼を伝えることができました。
しかし、驚くことに、
手紙を書いた少年はその手紙のことをまったく覚えていなかったのです。
おそらく、彼は学校の授業で先生に言われて書いただけだったのでしょう。
その手紙に特別な思いは込められていなかったのです。
突然感謝を述べられた少年は戸惑い、二人の間には少し気まずい雰囲気が流れました。
手紙をもらった彼がこんなにも真剣にその手紙を大切にしてきたのに、
書いた側にとっては、何も思い出させない一瞬の出来事だったのです。
ここで大事なのは、気持ちがこもっていなくても、
受け取る側の気持ち次第でそれが宝物に変わることがあるということです。
ただの授業で、先生に言われて渋々書いた手紙であっても、
それを受け取った人がそこに価値を見出せば、
その一通の手紙が命を救うこともあるのです。
同じことは、子供の描く絵や手紙にも言えます。
母の日や父の日、敬老の日などに、
幼稚園で書いた両親やおじいちゃんおばあちゃんの似顔絵や手紙。
子供たちはただ楽しんで描いているだけかもしれませんが、
それを受け取った人にとっては、一生の宝物になります。
気持ちはもちろん大事ですが、それ以上に受け取る側の気持ちが大事なのです。
音楽、お笑い、ドラマ、漫画、手紙、ブログ…。
人は思いがけない場所で、思いがけないものに救われることがあります。
友達や恋人、家族やペットもそう。
誰かの何気ない一言や行動が、時に心を支え、人生を変えるのです。
ただ、救う側はそれに気づかないことがほとんどです。
無意識のうちに、
誰かにとってはとても大きな意味を持つ行動をしていることがあるのです。
自分のために生きることが、どこかで誰かのためになっていることもあります。
そのことを忘れずに、日々を過ごしていきたいものですね。
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